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「…っ」
いつのまにか居眠りをしていたようだった。
机に突っ伏して寝ていた所為か背中は痛いし首も痛い。
ゆっくりと身体を起こし辺りを見るとほとんどが空席になっているではないか。
僕のほかには大学の同じ寮に住んでいるが話したこともないやつ、シフトが重なったこともなく「お前誰よ?」なやつ。
僕を合わせて四人しか残っていないではないか。
途中参加含めて十二~十五人はいたはずなのに…いつの間に帰ったというのか。
それに先輩以外みんな寝ているだなんて…。誰か先輩の相手をしたらどうだ!…僕もか。
「ぉ…。悟史ぃ。起きたのか」
「あ、すみません。いつの間にか寝てしまっていたみたいで。」
携帯の時計を見ると時刻は午前一時になろうとしているではないか。
みんな明日が休みだからといってもここで寝ているわけにはいかない。
「正樹さん、そろそろ引き上げましょうか。」
「店は開いてるぞぉ?」
「あ、いや…そうですけど。もうみんな、寝てますし」
「お前は起きてるじゃねぇの」
「いや、僕も寝てましたし…」
「座れ、すーわーれー!悟史座れよぉ」
今日は正樹さんのオゴリだ。まあ、もう少しくらい付き合ってもいいかもしれない。
眠ったからか酔いが完全に覚めていた僕はもう一度座りなおして自分が頼んだであろうチューハイのグラスに手を伸ばす。
グラスの中は既に氷が融けてしまって薄くマズイ酒に変わっていた。
正樹さんも同じく氷の所為で薄くなった焼酎を口に運ぶ。
そしてそのまま苦笑いをして話を始めた。
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