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僕らが通う星条高等学校は心臓破りと言われる地獄の坂を上りきった高台の上にある。
なんでも創立130周年という歴史ある学校だ。
生徒数は600人ほど。しかしその中で女子の数は三分の一という。
そんなむさくるしい学校に僕たち二人は入学し、部員数がたったの一人だった天文部に入学することに決めた。
元々僕は部活はやらないつもりだったのだが、幼馴染である浅田大志の頼みで入部を決めた。
なんでも最低でも三人いないと廃部。三人以上で同好会としての活動が許され、五人以上で部として認められるという。
大志の「先輩が一人ならかなり楽だろ」という理由には呆れたが、廃部になるものかわいそうだなと思い入部届けを出した。
「助かったよー。このままだと廃部だったんだ。でも君たち二人で三人になる。同好会になるね。あ、その場合なんて名前になるんだろう…ややこしいから天文部で
いいよね。ずっとある部だし」
この学校が創立されてまもなく出来た部らしく学校と同じだけの歴史があるらしい。
けれど年々入部希望者が減り、去年はとうとう五人という人数に減った。
うち四人は三年で卒業。残ったのが今年三年の猛先輩だった。
「とりあえず、頼りなくて申し訳ないけど僕が部長ってことになるよね。で、君たちのどちらか副部長してくれるかな。」
僕らは顔を見合す。その日に返事は入らないと言われたため持ち帰って考えることにした。
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