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「では、これから日本はどうなるのですか?」 幸が聞く。 「分からない。 分からないが…仮に“ゆうき”が皆に『徳川幕府は滅びる。』と言ったとする。 そうすれば倒幕に乗り出す者は多くなるだろう。 しかし、それを黙って見過ごすほど幕府も落ちぶれてはいない。 結果を知ったからといって、時期を見謝ると多大な犠牲を出し、もしかしたら歴史の流れを変えてしまうこともあるかもしれない。 “ゆうき”の命も狙われるだろう。 子供の戯れ言で終わる可能性の方が高いが、“ゆうき”が話すことはどこか我々より先をいっている気がする。 それに気づいて“ゆうき”を利用しようとする輩がおらんとは言い切れない。 まぁ、どちらにしろ『自分は未来から来た。』などという子供を野放しにするわけにはいくまいよ。」 桂は悠生の頭をポンポンと叩いた。 「とりあえず追い出したりはしないから安心しなさい。」 「あの…。 桂さんは…信じるのですか?」 幸の言葉に桂は力強く頷いた。 「信じる。 “ゆうき”が嘘を言っているようには思えないし、嘘だとしてもわざわざこんな信憑性の低い嘘をつく理由が分からない。」
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