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「今日は誰と何して遊んだの?」
毎日恒例となっているこの質問に悠生は楽しそうに答える。
「今日はねー、大ちゃんと隆君と聡とー鬼ごっこしてぇ、縄跳びしてぇ、ブランコ乗ってぇ。お母さん、僕ねぇ一番いっぱい縄跳び跳べたの!!」
「へぇ~。悠生はお父さんに似て運動神経が良いのねぇ。お母さん、鼻が高いわ。」
母に誉められ、悠生は得意そうに笑った。
「今日お父さん、早く帰って来る?」
悠生の父親である貴之は東京の出版社に勤めており、いつも帰りは遅かった。
しかし、たまに早く帰って来た時などは、一人息子の悠生を可愛がり、よく一緒に遊んでくれた。
悠生はそんな優しい父親が大好きだったが、専業主婦である母親の奈緒子がいつも一緒にいてくれたので、父親の帰りが遅くても寂しい思いをすることはなかった。
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