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翌朝、太陽が昇って間もない頃、悠生は叩き起こされた。 「いつまで寝ておるのじゃ! 仕事じゃ、仕事! さっさと起きんか! 馬鹿者っ!」 盛大な怒鳴り声と共に掛け布団を剥ぎ取られ、悠生は慌てて起き上がった。 寝ぼけ眼で自分の目の前に仁王立ちしている人物を見上げる。 眉を吊り上げ、唇をへの字に曲げている。 長い黒髪は首の後ろで無造作に束ねられ、大きな吊り目は真っ直ぐに悠生を睨み付けている。 袴をきっちり着て、いっちょ前に腰に大小(大刀と小刀)を挿しているが、まだ齢十六、七の少女である。 一見すると少年のようにも見えるその少女は、未だに寝ぼけている悠生の襟首をひっつかみ、 少女とは思えぬ豪腕で引きずった。 「痛いっ…いたたたっ…!ちょ…ちょっと!放してっ…!…ちょっ!」 悠生はジタバタ暴れるが、無駄な抵抗に終わった。 引きずられ、連れて来られた場所は水場であった。 「ほら、さっさと顔を洗って、身支度整えな! お前の着物は部屋に置いてあるからそれに着替えるんじゃぞ。」 少女はそう言い残して、去っていった。
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