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「『妻と愛人がバッタリ会っちゃったよ。 どうしよう、てへっ!』 と書いてある。」 「……浮気がバレちゃったってこと?」 「まぁ、そうだ。」 「全く、こっちはかなり緊張して開けたというのに。」 久坂は凶悪に笑った。 それを見た勇希は思わず桂の背中に隠れた。 「こんな事、我々が知ったことじゃありませんね。 いっそのこと、おまさとおうのの二人共に愛想を尽かされれば、あの暴れ牛も落ち着くんじゃないですかね?」 「いやいや……。 それはないだろう。 というか、それも困る。 さて、何と返事を書こうか…。」 勇希は桂の膝の上に移動した。 「我々への心労の責任をとって切腹しろと書いて下さい。 晋作ならきっと潔くあの世に逝くに違いありませんよ。」 「いやいや…。 それはマズい。 怒って暴れかねん。」 「そうなったら、勇希。 君がちょっと追い払って来なさい。」 「待て待て。 勇希には無理だ。 死なせる気か。」 「晋作は子供には手を上げませんよ。 要は我々に被害が及ばなければ良いのです。」 ついに本音ぶっちゃけたよ…。 勇希はもう一度身震いをした。
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