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ザリガニ探しを早々に諦めた悠生は、そろそろみんなの所に戻ろうと立ち上がった。 ーその時だったー 一陣の風が吹き、悠生はバランスを崩した。 そして、まるで吸い込まれるようにして悠生は用水路の中に落ちた。 雨で水量が増しているとはいえ、もともとは浅い用水路である。 普段は悠生の膝までしか深さはない。 それを知っていた悠生は必死に底に足を着こうとした。 しかしいくら頑張って足を伸ばしても、底に足が着くどころか掠りもしない。 用水路はちょうど悠生が両手を広げたくらいの幅であるにも関わらず、悠生がいくら両手を振り回しても指先にすら当たらない。 息ができない。 目があけれない。 体が動かない。 苦しい。 苦しい。 苦しい。
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