362人が本棚に入れています
本棚に追加
「……え、えど…。」
悩んだ挙げ句、昔の東京の地名を言った。
「やっぱり!
お琴さんですよっ!!」
「いや、だから…。
違ぇってっ!!」
「このことが近所に知れ渡ったら、土方さん、恥ずかしくて外歩けませんね。」
沖田が実に楽しそうにニヤニヤ笑う。
「総司ぃぃいいい!!
てめぇ純粋そうな顔しといて実は腹ん中真っ黒だろっ!!」
「いえいえ~。
私のお腹はトトロのように純粋で慈愛に満ちてますよぉ。」
「沖田さん、トトロは現代語だから使っちゃダメだよ。
時代遅れの人達には通じないよ。」
「何故そこだけの会話が成立してんだぁぁああ!!
総司の腹黒が一瞬にして移りやがったぞ!!」
「凄いですね!
沖田さんの繁殖力!!」
「ゴキブリ並みだなぁー!!」
「誰か否定しろぉぉ!!」
「否定するのは土方さんの存在のみですっ!!」
「ねぇ、山南さん。
オジサンって可哀想だね。」
「そうだね。
性格とか本当に可哀想だね。」
「クソガキがぁぁああ!!
哀れむような目付きをするなぁぁああ!!」
後に鬼と呼ばれるこの男。
哀れにも、今この時、味方になる者は皆無であった。
最初のコメントを投稿しよう!