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「……え、えど…。」 悩んだ挙げ句、昔の東京の地名を言った。 「やっぱり! お琴さんですよっ!!」 「いや、だから…。 違ぇってっ!!」 「このことが近所に知れ渡ったら、土方さん、恥ずかしくて外歩けませんね。」 沖田が実に楽しそうにニヤニヤ笑う。 「総司ぃぃいいい!! てめぇ純粋そうな顔しといて実は腹ん中真っ黒だろっ!!」 「いえいえ~。 私のお腹はトトロのように純粋で慈愛に満ちてますよぉ。」 「沖田さん、トトロは現代語だから使っちゃダメだよ。 時代遅れの人達には通じないよ。」 「何故そこだけの会話が成立してんだぁぁああ!! 総司の腹黒が一瞬にして移りやがったぞ!!」 「凄いですね! 沖田さんの繁殖力!!」 「ゴキブリ並みだなぁー!!」 「誰か否定しろぉぉ!!」 「否定するのは土方さんの存在のみですっ!!」 「ねぇ、山南さん。 オジサンって可哀想だね。」 「そうだね。 性格とか本当に可哀想だね。」 「クソガキがぁぁああ!! 哀れむような目付きをするなぁぁああ!!」 後に鬼と呼ばれるこの男。 哀れにも、今この時、味方になる者は皆無であった。
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