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いつの間にか眠りについていた勇希は、翌朝、沖田に叩き起こされた。
「ほら、勇希君!
起きて起きて!
もう朝だよ。」
薄っぺらい布団から顔だけを出した勇希は、まだ少し肌寒いその空気と、ほんの僅かに差し込む太陽の光を見て、現在の時刻がまだかなり早いことを悟った。
「まだ早いよ…。」
もごもごとした口調でそう告げれば、沖田はぷくっと頬を膨らませた。
「そんなことないよ。
もう皆起きてるよ。
寝てるのは怠け者の土方さんだけだよ。」
辺りを見回すと、確かに土方の布団だけもっこりと小山ができている。
「それに、お秀ちゃんが勇希君の分も朝食作ってくれたからね。」
笑いながら差し出された手を、勇希は渋々握った。
「よし、行こうか!
土方さんも、早く起きないとあっという間にお昼になっちゃいますよ!
勇希君だって起きたのに。
早く起きて来ないと、土方さんの分の朝食、原田さん達に食べられちゃいますよ。」
沖田が部屋を出る際に、土方に声をかけたが、土方が起床する気配は皆無であった。
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