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N|"゚'` {"゚`lリ「…」
最後にそう締め括って、シャキンはハットを被り直し店を出た。
聞き慣れたドアベルの響く音が、妙なもどかしさを覚えさせる。
N|"-'` {"-`lリy-┛~~「…」
それを静めようと愛用のパイプをくわえ、火を着けて燻らす。
煙草とは違う甘い匂いが煙と一緒に漂う中で、彼は一人目を閉じ思った。
N|"-'` {"-`lリ-┛~~(…全く、相変わらず妙な言い回しをするもんだ…引き寄せられる、か)
やはり知らせるべきか。
しかし最後に残していってくれたその言葉が、心に引っ掛かっていた。
何せ覚えがある事なのだから。
N|"゚'` {"゚`lリ-┛~~(あの車はそうだった、認めた奴をそうして離さない…俺がシャキンやボン達と知り合ったのも、あの車が齎した巡り会わせだった)
今でも思う。
あの車…そしてその乗り手の周りには、常に『本物』達が集まっていた事を。
例えそれが二輪だろうが、四輪だろうが…分け隔て無く。
N|"-'` {"-`lリ-┛~~「…やれやれ」
俺もまだまだ若いか。
自嘲の言葉を心中で呟きつつ、同時に久々に鎌首を擡げてきた熱いものを阿部は感じ取る。
N|"゚'` {"゚`lリ「…」
やがてパイプの火を消して、割ったコップを片付ける等いそいそと店の始末をすると彼は奥の生活スペースへ消える。
少しして戻って来た彼のその手にはチラシがあり、それをカウンターに裏返して置くとマジックで書いた文字は『臨時休業』
それをドアの外に掛かるCloseの札にセロテープで張り付け、それから程無く店の明かりが消える。
それから数分して、夜の静けさを引き裂く様な爆音が轟いた。
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