#3.二人の時間

2/5
前へ
/15ページ
次へ
HR終了のチャイムが鳴り響く。 「はい、今日はここまで。みんな気をつけて帰んのよ~!」 ミサト先生の一声で、教室は授業の静寂から一転してザワメキを取り戻した。 帰り支度を手早く済ませ、ドキドキしながら同じ教室にいるはずの彼の姿を捜す。 今日は二人にとって特別な日だから…絶対に一緒に帰りたい! …けれど、あの綺麗な銀髪は教室内に既に見当たらず。 (ひょっとして、今日のこと忘れてるのかな……私、バカみたい) 少し泣きそうになりながら下駄箱へ一人寂しく向かった。 と、不意に肩を叩かれる。 「カヲル!?」 わずかな期待を胸に慌てて振り向くも…… 「わぁ!?びっくりした…。」 そこ居たのは自分の片割れ。 「なんだ、シンジか……。」
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

29人が本棚に入れています
本棚に追加