#1.正体不明の感情

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転入手続きを終えて何気なく立ち寄った校舎の屋上…緋色に燃える夕日を背に、君は唄っていたね。 華奢な肢体から響く旋律は、ゾッとするほど綺麗だった。 ―――僕は…あの瞬間から君の存在に捕われた。 君に触れたい、君の瞳に映りたい、君を……壊したい。 この感情を何と呼ぶのか僕は知らない。  正 体 不 明 の 感 情  君を手に入れれば、きっと僕は生まれて来た意味を知る事ができる……そんな気がするんだ。 だから今は……『時』が来るまで君の奏でる旋律に酔い痴れていてあげるよ。
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