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『彼』と会ってからの君は、どんどん僕から離れていったよね。
話すのはいつも『彼』のこと。君が『彼』の話をする度に、僕の中で何とも言えない感情が渦巻いてた。
――嫉妬。
君の世界には僕だけだったはずなのに。僕は君しかいらないのに。
君が『彼』の隣で幸せそうに微笑むようになって……やっと気付いた。
「僕を見てよ。」
「僕を捨てないで。」
「あぁ……僕は…」
君 を 愛 し て る 。
……異質な感情。決して許されない感情。
君の『彼』への想いと同じはずなのに、君のは綺麗で僕のは汚れてる。
この想いを伝えれば…きっと綺麗な君を汚してしまう。
だから僕は、今日も君を見守り続ける。決して想いを口に出さないように……『彼』の隣で微笑む君を見守り続ける。
それが僕の
秘 め 事 。
例え君の世界から完全に僕が無くなっても…愛してるんだ。
――僕の片割れ。愛しい姉さん。
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