#2.秘め事

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『彼』と会ってからの君は、どんどん僕から離れていったよね。 話すのはいつも『彼』のこと。君が『彼』の話をする度に、僕の中で何とも言えない感情が渦巻いてた。 ――嫉妬。 君の世界には僕だけだったはずなのに。僕は君しかいらないのに。 君が『彼』の隣で幸せそうに微笑むようになって……やっと気付いた。 「僕を見てよ。」 「僕を捨てないで。」 「あぁ……僕は…」 君 を 愛 し て る 。 ……異質な感情。決して許されない感情。 君の『彼』への想いと同じはずなのに、君のは綺麗で僕のは汚れてる。 この想いを伝えれば…きっと綺麗な君を汚してしまう。 だから僕は、今日も君を見守り続ける。決して想いを口に出さないように……『彼』の隣で微笑む君を見守り続ける。 それが僕の 秘 め 事 。 例え君の世界から完全に僕が無くなっても…愛してるんだ。 ――僕の片割れ。愛しい姉さん。
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