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「あっ!ちょっと、そこのメジャー取ってー!」 「ねぇ、このメニューってさー…」 「ホール組、サイズ測るのでこっち来て下さーい!」 ワイワイ ガヤガヤ 今は、学祭準備期間。 2週間後の学園祭に向けて、どの教室も活気で溢れている。 …あの後、なんとかほっぺを放してもらえた俺は、会ちょ…海斗の鳩尾を蹴った理由を洗いざらい吐かされた。 そして、そのお詫びとして、これからは会長のことを『海斗』と呼ぶことになった。 俺は『先輩』もちゃんと付けようとしたのに、それは海斗の一言で却下となりました。 あの時の海斗は、はっきり言ってかなり怖かった。 その時のことを思い出して、遠い目をしている俺の目の前に、遥がヒョコッと顔を出した。 「おーい、泉君。ホール組呼ばれてるよー?」 「ぅえ!?い、今行く!」 軽く放心状態の俺だったが、遥の呼び掛けで戻って来れた。 因みに、以前LHRで決まった俺達のクラス展示の『メイドカフェ』は、誰かの 「メイドだけじゃ、物足りなくね?」 という何気無い一言で、『執事・メイド喫茶』に変更された。 そして、『ホール組』というのは、もとから決まっていたメイド役5人と、執事役5人の計9名のことである。 え?計算が間違ってるって? そうですよね。 普通はそう思いますよね。 でも、残念なことに、これで合ってるんです。 何故なら! 俺がメイドも執事もやることになったからさぁー!! はっはっはっはっ……はぁー……(泣) …いや、まぁ…もう決まったことだから文句は言わないし、頑張るけどね? いくらオタクがキモいからって、あんまりだよね…この仕打ち…… いいもん!今回の学園祭で、俺をオタクだってバカにしてる奴等をぎゃふんと言わせてやるもんね! ファイト!俺!! 因みに、1-Aの生徒(冬夜、遥、蓮を除く)は、泉の転校初日の出来事以来、全員が泉のファンになったとか、なってないとか… .
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