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「んじゃお前今どこに住んでんの?」
「いやぁ…」
失敗したぁ…
両親が旅行に行ってて家に入れないじゃなくて普通に家で遊べないって言うんだった…
今の今まで上手いこと話を反らしてきたのに最後の最後で大失敗した。
「お前何か隠してないか?」
「俺が隠し事するわけ―」
更に嘘を重ねようとしたとき彼女はやってきてしまった。
「おー、尚昌君ここのクラスだったんだあ」
俺の精一杯の嘘を崩す声。
「今から今日の晩御飯のおかずと凪に頼まれたものとか買いに行くんだけど尚昌君も一緒に行く?」
「一ノ瀬日菜だっ!」
三上が日菜を指差して驚いた。
放課後の教室、他に人がいないせいか、やけに三上の声が響いた。
「ハァ…日菜ぁ」
「えっと…マズかった?」
俺はうん、と頷いた。
三上は俺の肩を掴み前後に振った。
「どういう事だ!?確かにお前は女子にも顔が広くて人気があるが、一ノ瀬日菜と名前で呼び合う仲にまで…いつの間にいぃ!」
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