プロローグ

2/4
前へ
/49ページ
次へ
『良くんへ この手紙を良くんが読んでいるという事は、私はもうこの世にいないんだね。 良くんとの出会いは2年前の夏だったね。 夜中に急患が運び込まれた時に、私が慌ててかけた医局への電話を受け取ってくれたのが良くん、アナタでした。 まだまだ新米ナースの私も急患の処置に混じって必死でした。 必死になりすぎて、オドオドする私に良くんは優しく言ってくれましたね。「落ち着いて。俺が患者を救う。」って。 ありがとう。 私、良くんに一目惚れしました。 その日のうちに良くんに告白したね(笑) 出会って3日目で、お付き合いスタート。 職場の人に内緒で職場恋愛。楽しかったね(笑) 付き合って1年目に私の体に病気が見つかり、恋愛どころじゃなかったね。自分では分かってた。もう治らないんだって。 治療の間、ずっと良くんが側にいてくれたから頑張れたよ。ありがとう。 あれから半年後に病気で死ぬかもしれない私と良くんは結婚してくれた。 良くんは死に逝く私と生涯を共にしたいってプロポーズしてくれた。ありがとう。 余命半年…宣告受けたのは結婚式当日の夜でしたね。 あれからもうすぐ半年。
/49ページ

最初のコメントを投稿しよう!

42人が本棚に入れています
本棚に追加