第六章・―逃げる想い、掴む想い―

5/15
前へ
/100ページ
次へ
「で、お前はなにがしたいわけ」   「だからそれをだなぁ……」    具体的にどんな物を渡したいとか決めていたら、わざわざ親友を呼び出したりはしていない。    そこから一緒に決めて欲しいのだと言ってみたら、何故か沙織さんに笑われてしまった。   「先輩が彼女の事を本気で想っているなら、記念になるし。就職祝いという名目の、婚約指輪を贈ってみたらどうですか?」  その発想はなかった。    いきなり婚約指輪なんて、多分彼女は引くだろうけど就職祝いという形でなら、快く受け取ってもらえそうな気がする。
/100ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1706人が本棚に入れています
本棚に追加