第六章・―逃げる想い、掴む想い―

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 いつもは飾り気がない彼女だけれど、デートの時には目立たないようでも、おしゃれをしてきてくれている。    予算を伝えると沙織さんは頷いて歩き出す。そうして繁華街を少し歩いたところで方向転換すると、ちょっとした路地に入り込み、とあるジュエリーショップの前で立ち止まった。   「ここのジュエリーって密かに人気があって、値段もリーズナブルでデザインも可愛いし、ぴったりだと思いますよ」    言われた俺と海斗が店を見上げる。
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