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――まただ。
また、俺がふがいないせいで彼女に不快な思いをさせてしまった。そんな思いをさせたくなくて、なのに上手くはいかなくて、馬鹿な俺は後悔ばかりだ。
「……私、帰ります」
「え、猫ちゃ……あっ、ちょっ」
なにか声をかけようとするより先に、彼女はそう呟くと走り出してしまった。
つかもうとした手も振り払って、俺から逃げるように、振り向きもせずに――。
俺は今度こそ聞かなければいけない、彼女を引き止めて、本当の気持ちを教えてもらいたい。
こんな俺でも、彼女にふさわしい男でいられるのかどうか。
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