第七章・―永遠に、両想い―

2/10
前へ
/100ページ
次へ
「……先輩は、私の事。……どう思ってますか」    長い時間をかけて、やっとの思いでそれだけをしぼりだした。    先輩は少し驚いた表情になったけれど、それは一瞬の事で、何故か沈黙してしまうと、視線まで逸らされた。   「……先輩?」    やっぱり私に合わせてくれているだけ、だったのかな?    先輩の言葉を聞くのが怖くなって、耳をふさぎたくなって……、また逃げようとして今度はすぐに引き止められた。   「行くな、猫ちゃん」    初めて聞く力強い声、つかまれた腕の暖かさ、先輩がもたらす真剣な雰囲気に、思わず身体をびくりとふるわせた。    そうしておずおずと、先輩の方へと向き直る。
/100ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1706人が本棚に入れています
本棚に追加