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「好きなんだ」
自分にも言い聞かせるような先輩の声が切なくて、私は精一杯の笑みを浮かべて頷いた。
優しい先輩、子供っぽい先輩、無邪気にはしゃぐ先輩、……さっきみたいな、怖いくらいに真剣な表情の先輩……。
どんな先輩でも、変わりない。
私は全てを知ったわけじゃなかった。
知ってるのは先輩の一部だけで、でも、だからこそもっと知りたいんだという気持ちがあふれてくる。
先輩の本心を聞くのが怖くて、今まで言えなかった事がある。
今言わないと、きっと一生後悔する。
今なら多分、素直になれる気がするんだ。
だからお願い先輩、もう泣かないで。
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