第一章

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「亜季っおはよ~!」 「あ、泉~おはよう!」 泉は中学からずっと一緒の大親友だ。 ショートカットが良く似合う明るくって活発な女の子。 「なに?また大地くん宿題忘れたの?」 「そうなんだよ~!もう毎日でしょ?」 「だって俺、勉強なんか大っ嫌いだもん」 悪びれる様子もなく、大地は英輔のノートを必死に書き写していた。 「ほんと大地はスポーツ馬鹿だからな!」 「そういう英輔はスポーツ全然ダメだもんな~」 「お前、そんな口きくならノート返せ」 「おっ、ただの冗談じゃんじゃんか!見せろって」 「じゃぁ早く写せよ!あと5分でチャイムなるぞ」 「ヤベっ」 「ほ~んと仲いいよね~! こんなイケメン2人と幼馴染みなんて、亜季が羨ましいよ」 いつも泉は羨ましいって言うけど、 私はそんな風に思ったことは一度もなかった。 でもそれは、近くにいすぎて分からなかっただけなのかもしれない。 .
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