27人が本棚に入れています
本棚に追加
一方、一足先に学校へ行った翔を追うようにして学校の校門へとたどり着く臨と文。
辺りには生徒が吸い込まれるように校門を通って校舎へ向かっている。
『夏休み』が終わったせいか気だるそうにしている生徒が多数いる反面、夏休みにどこへ行った等の話題に盛り上がる生徒たちも見受けられる。
もっとも臨は前者の気だるそうにしている生徒の一人だったが。
「何でこんな朝早くから登校しなきゃ行けない…今日は授業もないだろ?昼からでもいいじゃないか。昼からだったらもっと寝れたのに…」
「臨さん…」
まだ愚痴っている臨を文は少々あきれ気味で見つめていた。
そして始業式を始めるために体育館へ臨は…行かなかった。
「あんな汗臭い場所に居られるか」
転入生であった臨は始業式に出るように事前に会った担任になる予定の男性教師から言われていたが、別に出るだけ無駄、と判断した臨は担任の言葉を無視し学校の裏庭で佇んでいた。
臨が入る予定のクラスのクラスメイトたちは臨と面識がないため臨が居ようが居まいが気付くはずはなかった。
「さて…終わる頃になったら指定されていた教室に戻るか」
誰の目から見ても不真面目な生徒だ。
最初のコメントを投稿しよう!