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まだ暑さが残る九月の始め
今夜もまた、どこかの都市で欲望が渦巻いていた。
九月二日 午前零時
人気がない路地裏に三人の男が一人の少女を囲んでいる。
「君可愛いねー」
「俺たちとイイことしない?」
「ねー何か言ってよー」
見たら誰でもわかる状況。男たちが自分たちの体格、人数を誇示し恐怖で少女を従わせようとしている。
最後に話しかけた男が少女の肩を掴む。
男は少女の体の柔らかさと匂いに性的欲求に駆られたが次の瞬間それは消え失せる。
突然男の少女を掴んだ腕、右腕の肘から下が宙を舞う。
男の肘から下がなくなった腕から血が噴き出す。
「…えっ?」
男が自分の状況を理解することはなかった。
男の頭がとれ地面に転がる。
腕同様血が吹き出した。首を無くした男の両隣にいた男二人が血に染まっていく。
「…」
「…」
男二人は未だに反応できなかった。二人にとっては悪夢のような出来事だったかもしれない。
首をなくした男の左側にいた男の首の前半分が切れて初めて右側の男が動き始めた。
表情を少しも変えず、二人の血を浴びる少女に対して男は、少女が何かをやったのだと直感する。
「ひ…ひぃっ!たす…」
男の首の頸動脈が切れる。
男はしばらく口を小さく動かすと絶命した。
「…気持ちいい」
血まみれの地面の上で少女は微笑んだ。
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