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「ただいまー」
黒髪で長髪、黒眼の少女が玄関から現れる。
「買ってきたか?臨」
「ほらよ」
金髪碧眼の偉そうな男が臨と呼ばれた少女から何か受け取る。
「何で林檎ジュースなんだ?この前は蜜柑ジュースだったし、酒とか呑まないのか?」
「昔…ちょっとな」
「また『昔』か」
「レムスさん、女の子を夜中に一人で歩かせるのは感心しませんよ」
居間から出て来た茶髪で黄緑色の瞳を持った少女がレムスと呼ばれた男を非難する。
「未明…お前最近ますます口うるさくなってきてないか?由衣に本当に似てきたな…」
レムスは自分の天敵ともいえる女性を頭に思い浮かべる。そして未明と呼ばれた少女が似ることがないよう心のなかで常日頃から祈っている。
「だいたいな、お前が臨の監視役だろ?そんなに言うならお前が付いていけばいいじゃないか。こいつ外で人殺しているかもしれないぞ?」
「おい」
「臨さんはそんなことしません」
軽い気持ちで言ったレムスに対して口調は穏やかだが、どこか怒った表情で未明は否定する。
「あー悪かったよ。…臨、お前に話がある」
「話?」
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