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「ああ、実は昼にこんなものが届いてな…」
レムスは平べったい箱をどこからともなく取り出す。
「何だ?これ」
レムスが箱を開けると、そこには学生服が入っていた。
「女物…かなり嫌な予感がするんだが」
「朝、由衣から連絡があってな。「手続き全部整えておいたからよろしく!」とな。ここまで言えば何が言いたいかわかるだろ?」
「『学校』へ…行けと?」
「ああ、あの場所に辛い思い出があったことはわかっている。だがお前のために他人と触れ合うことは必要だと俺も思う。何よりもこのまま過去から逃げるわけにもいかないだろ?」
「…なんだか大げさに言っているようだが私はもう『あのこと』は気にしていない。襲ってきた奴はぶち殺せたしな」
レムスはかなり驚いていた。少女にとって深刻なことだと思っていたからだ。
「お前は『新しい』お前だったな。で、学校へは行くのか?」
「正直全く行きたくない。私はあんな規律に縛られた場所が嫌いなんだ。」
他者に制限されることを嫌う少女は全力で否定した。
「社会適応力がない奴だな…」
「何とでも言え私は絶対に…」
「臨さん」
話から置き去りにされていた未明が喋り始める。
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