学校

4/15
27人が本棚に入れています
本棚に追加
/179ページ
「ああ、実は昼にこんなものが届いてな…」 レムスは平べったい箱をどこからともなく取り出す。 「何だ?これ」 レムスが箱を開けると、そこには学生服が入っていた。 「女物…かなり嫌な予感がするんだが」 「朝、由衣から連絡があってな。「手続き全部整えておいたからよろしく!」とな。ここまで言えば何が言いたいかわかるだろ?」 「『学校』へ…行けと?」 「ああ、あの場所に辛い思い出があったことはわかっている。だがお前のために他人と触れ合うことは必要だと俺も思う。何よりもこのまま過去から逃げるわけにもいかないだろ?」 「…なんだか大げさに言っているようだが私はもう『あのこと』は気にしていない。襲ってきた奴はぶち殺せたしな」 レムスはかなり驚いていた。少女にとって深刻なことだと思っていたからだ。 「お前は『新しい』お前だったな。で、学校へは行くのか?」 「正直全く行きたくない。私はあんな規律に縛られた場所が嫌いなんだ。」 他者に制限されることを嫌う少女は全力で否定した。 「社会適応力がない奴だな…」 「何とでも言え私は絶対に…」 「臨さん」 話から置き去りにされていた未明が喋り始める。
/179ページ

最初のコメントを投稿しよう!