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「行ってらっしゃーい!」
ハイテンションな由衣に見送られる三人。
「行ってきまーす」
返事をしたのは文だけだった。
しばらく歩く三人。
「何でお前と一緒に…」
「私もまだ納得していない。二人とも元々学校に行っていたのか?」
「お前の質問に答える必要は…」
「はい、そうですよ。由衣さんが「子供はおとなしく学校へ行きなさい!」って」
「…」
臨が由衣の性格を思い浮かべ瞬時に納得する。
「あの事件から一ヶ月と半分以上経っているから結構会うの久しぶりだな」
「何度か会いに行こうと思ったんですが翔君が会いたくないと言うので…すいません」
「いや、謝る必要はないよ。私も色々(?)忙しくて多分会う暇はなかったし……ところで最初に会った時から聞こうと思ってたんだが…」
「何でしょう?」
「どうして目見えてなくてもちゃんと歩けるんだ?」
「ああ、当然の疑問ですね。『感知』能力を使って周りに何があるのかを把握しているんです。視力は確かにないですが、『視える』という感じはしますよ」
「凄いな。疲れないのか?」
「癖みたいなもので…」
「そうか…どうして目が見えなくなったんだ?って聞いちゃまずいか」
「いえ、大丈夫です。それはですね…」「何でそうホイホイ自分のこと喋るんだ?こいつは『死喰人』だぞ」
臨を批判する翔に対して文は怒った表情で責める。
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