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side 藤堂平介
芹沢さんの事件がようやく収まり琴も落ち着いた頃
オレはあの時の事件が頭にちらつく。
オレが…
オレが…あいつを危険にさらした。
あいつ…
琴の側にいて見張っていれば怖い思いをしなくて済んだ。
何やってんだよ…オレ。
"好きな女" も守ってやれなかったのか?
「だせぇ…オレ…最悪だ…」
珍しく誰もいない稽古場で俺はボソッと呟き
何度も何度も竹刀を振るった。
まるであの事件をかき消すように
琴は泣きそうな顔を一生懸命作った笑顔を俺に見せ
「へ…平介…ウチ、大丈夫やから…」
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