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「へえ、いい名前ですね。なんか、とても綺麗な感じで・・・」
そう俺が言うと、彼女は何故かクスッと笑った。
・・・今の俺の台詞、変だったかな?
ちょっと疑問に思っていると、彼女はまた笑顔で俺に云った。
「はい、私も自分の名前が好きなんです。大切な人がつけてくれた名ですから・・・」
そう云った彼女の表情は、本当に穏やかなものだった。
・・・大切な人。
恐らく、本当に大切で、大好きな人なのだろう。
俺にとっての祖母のような・・・。
気付くと、彼女は俺に視線を戻していた。
あの、笑顔と共に。
「あの、夏海、さん」
「はい?」
俺は、勇気をだして進もうと思った。
なんでそう思ったかは分からない。
ただ、彼女ともっと話してみたい。
それだけのことだった。
「俺と友達になってくれませんか? もっと話をしてみたいんです、夏海さんと・・・」
こんなナンパみたいな台詞、もしかしたら断られるかもと思ったが、やっぱり彼女は友好的だった。
「はい、喜んで。・・・でも、一つだけ条件があります」
「えっ?」
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