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「ぐあぁ~、アチィ・・・。こんな日に練習って、死ねっつってるようなもんだろ・・・」
こんな、どこにでもありそうな愚痴を洩らしているのは、俺、本村知告(もとむら ともつぐ)十五歳、独身。
(って、独身じゃなかったら犯罪者だな、俺・・・)
・・・どうでもいいネタしか思い浮かんでこない、帰宅帰りのサラリーマン並みに疲れている高校一年生だった。
まあ無理もない。なにせ部活の練習のハードさには、本当に堪えていた。
『辛い』。そんな言葉を一日に何回使っているか数えたこともある。最大で四十三回も一日で云っていたこともあった。
(ギネスに申請でもしようかな。[世界一『辛い』高校生]って。・・・・・・なんか悲しくなってきた・・・)
なんで華の高校生活を、こんな苦難に満ち溢れながら過ごさなきゃならんのだ。ああ、一体何回部活を辞めようかと考えた事か。
しかし、辞めるわけにはいかない。
それは何故か? 決まっている。
プ・ラ・イ・ド
の為だ。
まあ正直いうと、父親と喧嘩して、つい『そんなに云うなら、俺は高校三年間、剣道部やり抜いてやるっ!』と豪語してしまったのが始まりだ。今思うと、まんまと親父に乗せられた気がする・・・。
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