プロローグ

3/6
前へ
/59ページ
次へ
(まあいいや。過ぎた事を云ってもしょうがない。明後日には夏休みだし、元気出そう。・・・て云っても、夏休みも部活で、ぜんっぜん休みっぽくないんだけど・・・) ・・・もういや、こんな生活・・・。 (まあそんな時はアソコか・・・) 別に卑猥なことではない。断じてっ! 俺が言っているのは、よくやりきれなくなった時に寄る、とても景色の良い高台の事だ。 この田舎町唯一の取り柄ともいえる海を、とても効果的に利用している所で、特に夕日が沈むこの時間帯の見ごたえは、はっきりいって半端じゃない。 (しかもひっそりした所にあるから、あんま人が居ねぇんだよな。超穴場) と、何だかんだ考えている内に、高台の入り口までやって来た。 (こっからがしんどいんだよなぁ) 疲弊しきった俺の前にあるのは、高台・・・・・・に続く長い石段。 この石段が、天国に行くための試練なのだ。 しかし、部活帰りの高校生に百十一段の階段(半年前に自分で調べた結果。四回も数えたんだから間違いない・・・はず)の試練は辛すぎる・・・! あっ、また『辛い』使っちゃったよ・・・、くそっ!
/59ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加