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彼はそう思い他の国民にこの社会をどうにかしようと促すことにした
彼はまず城のシェフと話をした
「なぁ、君はこの社会、王様のために生きてるような社会を何とかしたいと思わないか?」
シェフは答えた
「え?何を言ってるんだい、王様あっての僕達じゃないか、むしろ王様に感謝するべきだ」
「いや、よく考えてみろ王様に高い税を払わなければ暮らしは倍、それ以上楽になるのだぞ」
「王様の居ない社会など何も挟んでいないサンドイッチみたいなもんだ。さぁ邪魔だから出てってくれ」
シェフは手であっち行けをした
仕方がないので今度は国境を護る兵士に話をした
「なぁ君、いつもいつも国境を護って辛いとか嫌だとか思わないのかい?下手したら死んでしまうのに」
筋肉質な男が笑いながら言う
「ハハハ、辛くはないさ、国を護るということは王様を護るということだからね」
「王様も君も同じ人間だぞ?なぜ王様を優先する」
「それは王様だからさ、君はおかしな奴だな」
これでは埒があかないと思い、話をやめた
今度は城をぶらぶらしている男に話をした
この男に与えられた命はただ働かずぶらぶらすることだ、働き蟻の中にはこういう仕事の奴も居る
「なぁ君、毎日毎日暇そうにぶらぶらさせられて、嫌にならないのかい?ちゃんとした仕事をしたいとか思わないのかい?」
男は答えた
「嫌になんてならないさ、楽だからね、それにこうしている事だって立派な仕事さ、王様から受けた大事な仕事さ」
カリフは頭がおかしくなりそうになった
「私が間違っているのか!?いや、そんなはずはない!このおかしな社会を指摘する者が他にもいるはずだ」
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