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そんなある日の夕方、インターホンがなった
誰だろう、こんな雨の日に
カメラを覗くとそこには老婆がいた
「はい」
誰だろうか、見覚えはない
「薬、いらんかえ。」
なんだ、セールスか
「いえ、足りてますので。すいません」
「旦那の隠し事わかるいい薬があるでよ」
美穂は驚いた、何故隆のことを知っているのだろう。不気味だ、しかしそれと同時に薬に興味がわいた
「隠し事がわかる?」
「あぁ、この薬、相手の頭の中が見えるでよ」
老婆は手にもっていた鞄からビンを取り出した
「本当ですか?」
「もちろんじゃとも、なんなら他の薬をいるかえ?」
「いえ、結構です。その薬、おいくらかしら?」
「5万円」
高い、第一そんな薬があるはずがない
しかしその薬には、いやその老婆にはもしかしたら、と思わすような何かがあった
「買うわ、買います。」美穂は玄関をあけ5万円と薬を交換した
「毎度ありぃ」
老婆はにたりと笑った。不健康そうな歯はなくやはり不気味だった。
本当に効果があるのだろうか、小瓶に入った緑の液体を眺めながら思った、がやがて決心を固め薬を一気に飲み干した
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