日本シリーズ

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「なんかバック・トゥ・ザ・フューチャーみたい」  そう少年が言うと、私はそうかもしれないなと思った。確かあの映画は人の未来を、未来への考え方を変える映画だ。  けれど、果たしてそんな風にいくだろうか、と思いながらバック・トゥ・ザ・フューチャーの断片を思い出しながら、駅前の金券ショップを歩いて回った。  あの男は一体どこで買ったんだと、グシャグシャになったチケットに包まれていた紙を見るとかすかに店名が書かれていた。 「チクショウ! はじめから見てればよかった」 「えっ? なに?どうしたの。ちょ、ちょっと待ってよ!」  その店に向けて私は息絶え絶えに走った。 ──運が良ければこのあたりだ。 ──大丈夫だ。俺はタクシー運転手だ。  根拠もない確信だけを頼りにしながら、店を探した。  すると、路地裏の目立たない角に、その店は現れた。 「あ、あった……」  吐きそうなくらいに息を切らして、服はびしょ濡れで、見つけだしたその店に入り込むと、店員は一瞬たじろいだが、そんなことはもう関係なかった。  そして私は店員に尋ねた。ただ一つの気持ちに繋がる質問を。 「ここで……読売ジャイアンツ対ダイエーホークスの……チケットを買った人……いますか?」
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