秋穂-Akiho-

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病院生活の間でも、他の人より遅れている部分はあるけれど、自分も、立派な大人になる、って思っていた…のに。 『話によると、もう助からないんでしょう?』 『らしいわよ…これからが楽しい時期なのに』 『そうよねぇ…あと1年弱でしょう?』 『そうそう』 たまたま夜の抜けてはいけない時間に給湯室に行った帰りのことだった。 ナースステーションの明かりの中には2人の看護婦さんがいて、そんな話をしていた。 最後に、こんな言葉を付け加えて。 『秋穂ちゃん…可哀想ねぇ』
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