二章

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    …あの廃れた村から歩き続けて…もう、2時間になる。         さっきから向こうに大きな街が見えてるんだが… 一向に着く気配がない。   「オイオイ…早く着かせてくれよ」 ここ10分、これしか考えてない。 そろそろ僕は、怒りが溜まってきた。   「だぁーっ、いい加減あの街に着かせろー!」 僕は紺碧の天を仰いだ。       「ふー、ふー」 少し落ち着いて、視線を前に戻した。     「ん?」     さっきより…近くなってる…?   嘘じゃない。さっきまでぼんやり程度にしか見えてなかった街が、今は走れば届きそうな距離だ。     なんでだろう…?   僕は、色々考えて、リリスの言った言葉を思い出した。   “キミがずっと願い続ければ、それはいつか現実になる”   だいたいこんなことを言っていたような気がする。     「そうか…この世界では、目的を果たすためには『願い続ける』ことが必要なんだ…!」     もう、街は目の前である。
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