もう夏の大会っすか

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     バッテリーはスクイズを警戒して初球を外角へ外す。これで1ボール。相手の7番は右打ちなのだがずいぶんとベース寄りに立っているのが見てとれる。これでは内角押しで攻めることができない。 「ややこしいな…。とにかく内野ゴロを打たせたいから低めにカーブを…」  俊がサイン通りにカーブを投げる…がしかし快音を残しボールは弾き返されてしまった。 「しまった…」  バッテリーの二人の呟きが見事にシンクロしたのだが、ここで忘れ去られていた主人公(いわゆる加賀のことだが)が一二塁間に飛んだ強烈な打球をスライディングキャッチ。ボールを本塁へと投げ返して見せた。 「くっそ、でかい…」  三塁ランナーは5番。すなわちさっきでっかい奴だなと栗原が指摘していた野郎である。 …アウト! とりあえずアウトらしい。
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