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桃倉も右打ちだ。いつぞやのページでの俺の心配をよそに、こいつはなかなかの飛ばし屋だ。がっしりしている次の打者である下村と同じくらい、いやそれ以上球を飛ばす力があると思う。
「今のところ相手ピッチャーからこれといった特徴は感じられないわね。どう思う野島君?」
監督が隣で声を張る野島に声をかける。野島は背番号14、打撃には多少の自信がある外野手だ。しかも左打ちということもあり、控え捕手の背番号11福島と同じく代打の切り札的存在だ。
お、うまいこと説明しやがった。
「そうっすね…。相手が相手ですからまだ全力じゃないんじゃないっすかね。中盤新しい球を投げてきそうっす」
「はい正解。私は沈む球あたりがくるんじゃないかと思ってるわ。だから余計に先取点を取れるチャンスがあるなら点が欲しいんだけど…」
その時金属バットの快音が響いた。
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