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2回表の黄野高校の攻撃。この回は5番からの攻撃だ。俺的にこの5番が一番打ちそうな雰囲気を醸し出してるんだけどな…。何よりごつい。っつうかすらっと背が高い。左打席に立つとまた大きく見える。
この状況でマウンド上の俊も同じことを考えていた。
「どこのコースでも逃さず当ててきそうなんだよな…。俺球遅いし余計に怖いし…」
まだベンチからの守備のサインは無い。打順が一巡するまではキャッチャーの桃倉が配球、守備位置の全てを握っているのだ。桃倉は初球にアウトローのスライダーを要求。しかしこの初球が甘くなった所を見事に左中間に弾かれてしまった。
「左中間でよかった…。右中間に飛ばされていたら間違いなく三塁まで到達されてた…。次の6番はやっぱりバントだろうか…」
桃倉の心の中がそのままリードに出てしまった。初球の今度はカーブをバスターからライト前へ。なんとか三塁でランナーを止めたもののノーアウト二、三塁のピンチとなった。
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