48人が本棚に入れています
本棚に追加
「ピンチだなあ…」
俊がまるで人ごとのように呟く。しかし呟いてもピンチは勝手にどこかへ逃げてはくれない。
と、桃倉がマウンドへやってきた。
「悪い赤川…ちょっとネガティブになりすぎたわ。完全に相手にほんろうされてしまった。幸い下位打線だし低め低めにいこうな。よろしく!」
「了解了解」
しっかしいいキャッチャーじゃねえか…。俊は思いを馳せる。ありがたいことに野球をやり始めた頃から俊はキャッチャーとのコミュニケーションに苦労したことはない。しかしそれを当たり前とはもちろん思ってはいない。しっかり投げないとな、キャッチャーとチームの為に。そう思い俊はキャッチャーのサインを見つめた。(あ、そっち系には進みません。あしからず)
どうやら満塁策は採らずに内野を前に出し7番と勝負するようだ。
最初のコメントを投稿しよう!