もう夏の大会っすか

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    「ピンチだなあ…」  俊がまるで人ごとのように呟く。しかし呟いてもピンチは勝手にどこかへ逃げてはくれない。 と、桃倉がマウンドへやってきた。 「悪い赤川…ちょっとネガティブになりすぎたわ。完全に相手にほんろうされてしまった。幸い下位打線だし低め低めにいこうな。よろしく!」 「了解了解」  しっかしいいキャッチャーじゃねえか…。俊は思いを馳せる。ありがたいことに野球をやり始めた頃から俊はキャッチャーとのコミュニケーションに苦労したことはない。しかしそれを当たり前とはもちろん思ってはいない。しっかり投げないとな、キャッチャーとチームの為に。そう思い俊はキャッチャーのサインを見つめた。(あ、そっち系には進みません。あしからず) どうやら満塁策は採らずに内野を前に出し7番と勝負するようだ。
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