48人が本棚に入れています
本棚に追加
そうそう、1つ大事なことを忘れていた。加賀は小学生時代から1つだけ野球において自慢できることがある。これを俺が言って何の得になるのかがわからないが、あいつは一塁守備において、どんな下手な送球でもアウトにしてくれるという謎の守備の上手さをもっていた。その他の要素は標準、いや標準以下だが…。
「ねえ栗原、僕思うんだけどさ、明太子よりたらこのほうが美味しいと思うんだ。世間では明太子派が多いけどさ。ひと工夫して焼いてみなよ。本当に美味しいから」
これが一塁の守備が無駄に上手い加賀である。ちなみに栗原ってのは俺の名前な。本当にこいつはどうでもいい話をぐだぐだと喋りやがる。俺はこれに小学生の時からつきあってやってきた。
「正直に言う、俺も明太子のほうが好きだ。ただたらこを忘れてはいない。例えばたらこマヨネーズ。あれはかなりいけてると思うぞ」
「焼きたらこいっぺんやってみなよ。本当に美味しいから」
「おおOKOK。って人のたらこ話を無視すんな。それよりもお前、今日から練習だそ。そんなんで大丈夫か?一応俺春休みも体は動かしてたぞ…」
「僕を甘く見ちゃだめだよ栗原。僕だってこの漫画みたいなありがちな設定を楽しみにしてたんだ。もしかしたら作者が僕を覚醒させてくれるかもしれない。そう思って頑張って自主トレはやっていたよ」
「なんだそれは…」
最初のコメントを投稿しよう!