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見慣れない住宅街を、咲枝は軽い足取りで歩いていく。
私がはぐれないようにと繋いでいる手がすごく温かくて、どこか懐かしいように思えた。
咲枝
『それにしても…ちょっと見ない間に少し成長したんじゃない?』
美樹
『えっ?…どこが?』
咲枝の言う「成長した」部分が分からず、私は自分の身体の色々な部分を触ってみた。
そうしてみたは良いけど、結局何も分からず終いで…
…と思った時、目で見て成長が分かる部分が女の子にはあることに気付いた。
咲枝
『にゃはは、気付いたみたいだね。最初はボクの見間違えかなって思ったんだけどさ。』
これには流石の私も驚いた。
自分ではなかなか気付かないものなんだね…。
美樹
『あはは。確かにそうみたい。』
本当に微妙な変化だけど、胸が前よりも膨らんでいた。
それからは他愛のない会話を楽しみながら、握られた手の温もりを感じつつ新しい家へと歩みを進めて行った。
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