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談笑をしながらしばらく歩いていると、とある家の前に見覚えのある面々が立っている。
私が咲枝の方を見ると彼女は笑みを浮かべ、スッと繋いでいた手を離した。
咲枝
『ボク達がここにいることは、まだ気付いてないみたいだね。ほら、先に一人で行ってきなよ。』
咲枝に背中を押された私は、そのままゆっくりと歩いて行く。
久々に見る友達の姿…
まだはっきりと顔が見えている訳じゃないけど、姿形でどれが誰だか分かる。
嬉しいな…
またみんなと暮らせるなんて…
半年前…薄暗い瓦礫の中で目を覚ました私は、てっきり死んだんだ…
もう二度と会えないんだと思い込んでいた。
でも…今、私の前にみんなの姿がある…。
内心…みんなが私のことを覚えているのか不安。
でも、私の存在に気付いて欲しい。
もう一度みんなの声が聞きたい…。
だから…
私は勇気を振り絞って声を掛けた。
美樹
『みんなっ!!ただいまっ!?』
こうして…私達の物語は再び幕を開いた…。
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