悼むもの

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悼むもの

私の友達の 友達が亡くなった 部活が終わり 少し遅れて気付いた悲しい報せ 私はその子のことをよく知らなかったから 簡単に 「残念だったね」 なんて言えるはずもなくて 何も言わずうずくまる友達に 何も声をかけてあげることさえできなかった 二日後 新聞に載っていた小さな記事を 読んだクラスメイトが 友達に聞いていた 「事故で〇〇中の子が死んだんでしょ?」 「一一ちゃんの知り合い?」 「仲良かったの?」 「自殺の疑いもあるんだって?」 とても 聞いていられなかった 見ていられなかった 顔に笑みを浮かべたまま聴くなんて しかも『自殺の疑い』などと 友達だったと言っている人の前で 言っていい言葉じゃない 何時から人は 他人の不幸までも笑って 話せるようになってしまったのだろう 人の死は悼むもので 笑い話や 興味本位で 触れてはいけないものなのに 友達が浮かべていた 困ったような 哀しそうな表情(かお)が 目に焼き付いて 離れない
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