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会議は観死長の条件を受け取った形で終わった。
社長の秘書が内容をメモした紙をコピーして、死神課社員に配られた。
もちろん全員の表情は動揺を隠せないままだ。
社長が死神課の社員に告げる。
「まさかの事態で申し訳なく思っている。
しかし、ワシは黙って終わるような真似だけはしたくなかった…
だから最後に賭けに出たのだ、皆でワシと同じ方に賭けてくれんか?」
この声に社内は静まったが、それを一番に破ったのはカオリだった。
「もちろんです!」
社長は彼女に向け微笑みながら、一度だけ頷いた。
その後に続けとばかりに社員の声が次々と響いた。
その光景を見ながら、社長は副社長に耳打ちをした。
「すでに観死長はモニターしているはずだ。
この一体感を見れば、向こうも本腰を入れてくるだろう…
閻魔よ、頼んだぞ。」
返事は口に出さず、その代わりに目で応えた。
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