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私も急いで宿に入った。
玄関を開けると、彼のビーチサンダルはキチンと並べられていた。
見た目は、几帳面で礼儀正しい人間には見えない彼のギャップに少し笑みがこぼれた。
彼は二階の部屋にいた。
窓を開けて、外を眺めている。
「いい部屋じゃないですか~!
私は気に入りましたよ!」
子供のように弾んだ声だった。
「それは良かった。
ゆっくりしてて下さい、私は風呂の準備をしてきますから。」
そう言うと襖を閉めた。
久しぶりの客人は何だか不思議な人だな~、私は頭の中で呟いた。
「すいませ~ん!」
その声に私は玄関へ急いだ。
今日はバタバタと忙しい一日だと気づく。
「はい?」
玄関には見た事もない若い男性がいた。
黒いスーツを着た、都会のビジネスマンのようだ。
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