第1章:小柳剛

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僕の通っている『森林高等学校』が見えてくる。 見た目は都会の私立大学のような大きさで正直僕が生活するには勿体なすぎる、立派な学校だ。 12:55――歩いて教室に行っても約束の時間より数分早く着きそう。 今年は開校40周年記念として改装工事をするらしい――授業中によくウィーン、という何かを削る音が耳障りになるほど聞こえてくる時もあったけど2か月たった今はペンキ塗りをしている。 2年1組―― ここが僕のクラス。残念なことにこの学校ではクラス替えはないらしいので1年1組、2年1組、3年1組というように3年間も1組でいなければならない。 「今日は……時間通り」 軽く深呼吸をして開けやすいようにアイスを工夫して持ちドアを少しずつ開ける。
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