第1章:小柳剛

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「あのお金は返してくれないの……」 「おまえ殺されたいのか……?」 「……」 僕は隆志の一言で大人しく自分の席に着くことにした。 (あぁ、なんてくだらないのだろう。 この生活が後1年と9か月続くと思うと吐き気がする。) 特に話す人もいない僕は次の授業の準備──どうやら数学らしい──をする。 ちなみに僕は決してイジメを受けているわけではないのだ。実は普通の学校ではあり得ない校則に縛られている。 森林高等学校、校則第15条――グループを3人作りそのうち1人をリーダーとしてクラスの輪を乱すことなく共に学校生活を送らなければならない。 尚、校則違反をした場合退学処分を校長に言い渡される。 学校なりのイジメ防止対策なのだろうか。 未だかつてこの校則を破ったことのある者は誰もいないらしい。 本当にくだらない。
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