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いつも通りの時間。いつも通りの音。いつも通りの部屋。
俺こと市井妖(イチイヨウ)はそんな当たり前、に退屈していた。
「今日も朝はやってくる、当然か」
目をこすり、まぶたを開く。カーテンでシャットアウトしているため、強い光は一切入ってこない。
朝飯を食べ、学校へ向かう。
つまらない。嗚呼、何故この世界は俺に対してこんな酷い仕打ちを。
神様、なんて信じちゃあいねえがもしいたらぶん殴ってやりたいね。
「よっ!」
俺の守るべき存在。親友だ。俺に関わっちまうなんて不幸だとしか言えないが、もう関わった奴は守るって決めたんだ。
……あの時の二の舞にならない為にも。
「お前も懲りない奴だよな」
呟くように俺は言う。首を傾げる鎌倉真(カマクラシン)。
「いや、なんでもない。なんでも……ないよ」
「変な奴だなー。早くしねえと遅刻すっぞ」
真はそういって俺をせかした。
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