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結局なんの抵抗もできぬまま、映画が始まってしまった。
上映開始時には後ろの席も満席になっていたので、今更席を変わることもできない。
突き刺さるような周りからの視線……恥ずかしさがハンパないです。
膝の上に乗っている優羽は心なしか楽しそうだ。
まぁ優羽が楽しめてるなら構わないんだけどさ……
俺は早くこの恥ずかしさから解放されたいという気持ちと、優羽の柔らかい太ももをもっと堪能していたいという2つの矛盾した気持ちを抱えながら、ただ恥ずかしさに耐えていた。
――そして30分後、映画の上映が終了した。
次々と席を離れていく観客達。
優羽もようやく俺の膝の上から降りてくれた。
『ごめんなさい……痛かった?』
「いや、むしろ気持ちよかったです」
優羽はそんな俺の発言にしばらくハテナマークを浮かべていた。
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